母音で愛を語りましょう

私をとりまく、ぐるりのこと。

『仕事と日々・夢想と夜々 哲学的対話』ジャンケレヴィッチ/仲沢紀雄訳

p.6 愛好家が愛する人に対立し、選択が選出に対立するように、好奇心は共感に対立する。愛好家は、標本をひとつの抽象的な系列あるいは非人称的な類に分類する蒐集家さながらに、個人を選り分け、配列し、詳細に観察する。これに反して、愛は些細な部分や個…

『罪と罰 上巻』ドストエフスキー/工藤精一郎訳

今度こそ読み切ろうと思ってたらこんな歳になってしまった。そんなことばかり、24歳。 読みたい本や見たい映画、知りたい事や話したい人。宿題みたいに積んであって、ずっと準備期間みたいな気持ちもあって。それでもある日急に、もうとっくに準備期間なんて…

『移動祝祭日』アーネスト・ヘミングウェイ/福田隆太郎訳

少しだけ固い翻訳。有名人たちが当たり前のように若かりしヘミングウェイの周りに現れる。生きている彼らが馬鹿ばかしいくらい人間的。ミッドナイト・イン・パリのような黄金期への幻想。 若い時をずっと東京で暮らす僕たちの物語は何だ。 p.47 私は、仕事を…

『新ハムレット』太宰治

どの話にも、作者自身の影が濃く写っているように感じてしまう。 それは、もしかしたら、気付いてほしがっているのかなってくらい。 目眩く出来事に向かうしなやかな人間の表情が印象的。 それを話に縮こめる時のアイロニー少々。 p.17 文化の果には、いつも…

『そしてみんな軽くなった トム・ウルフの1970年代革命講座』トム・ウルフ/青山南訳

青山先生の翻訳本。なんだか若いなぁ文章が笑 p.14 ハリスはゆっくりうなずくばかりだった。まるで複雑きわまりない理屈が目の前にでんと居座ったかのようだった。ニューヨークへ車で帰る間中、ハリスは必死に頭をひねった……調理室はひどかった?……問題はそ…

『ボッティチェリ 疫病の時代の寓話』バリー・ユアグロー / 柴田元幸訳

寓話かぁ。 闇の部分はドロドロで光の部分がトゲトゲ。 古いラジオから馬鹿に陽気な曲が流れているような、懐かしさと怖さ。 コロナvs思い出って感じ。 p.27 夏の晩の情景が、突如私の心の中に広がっていく。風通しのいい、素朴なバンガローのポーチの陰に生…

『道徳は復讐である ニーチェのルサンチマンの哲学』永井均

川上未映子つながりから辿りまして、出会った本。 気付かぬうちに納得したような顔で他人が生み出した概念を捏ねくり回したくないタチなので、すごく共感できたりしたけど、こんな読み方は正しいのか。 本当にそうだっけ?って疑うことが、自分で考えること…

『世界クッキー』川上未映子

言語感覚が好き。 そして優しい人なんだなって思う。 あなたについてのおしゃべりあれこれを 聞いていたい気持ちになる、わりとずっと。 〜〜〜 p.31 なるほど個人がひとつきりの体でその人生を生き、それを指して「わたし」と言いながらも全部がわたしと感…

『佐藤君と柴田君』 佐藤良明・柴田元幸

p.19 佐藤君は新しいモノを使って皮膚の外側まで自分を拡張していこうとし、柴田君はモノを使って皮膚の内側をなるべく快適にしたいと思っている。

『瞬間を生きる哲学〈今ここ〉に佇む技法』古東哲明

瞬間を感じることで時間を知って、 時間がきっかり主観だって身に染みた後に、 再び瞬間を感じてみる。 みたいな。 最後らへん、あまりに雄弁に語る女の子に少し笑ってしまったけれど。 歳を取れば取るほど、 時間が嘘っぽく思えてくるよね。 敢えて目を細め…

『動きすぎてはいけない ジル・ドゥルーズと生成変化の哲学』千葉雅也

p.16 そして、六十年代後半にかけて、論況はさらに新しくなる。ものごとの構造それ自体に潜む、構造を不安定化させる部分ーー構造それ自体の無意識の綻びーーに注目し、そこを動因とした構造の変化を考えようとぬる人々が目立ってくるのである。 〜〜 そして…

『欲望の時代の哲学2020 マルクス・ガブリエル NY思索ドキュメント 1.欲望の奴隷からの脱出』NHKオンデマンド

・全ての対象を包括するものは存在しない。 ・自由意志は絶えず自らを攻撃する。 ・一方向的な自然法則とは異なり、物事が任せている状態が自由意志である。個人がもつ意志同志の調整の最適化が自由意志である。 ・自己や他者の人格がもつ人間性は目的であり…

『見ることと見られること』佐藤忠男

p.4 こうして肉親や他人のまなざしというものは、いったん心に刻み込まれると、やはり神のイメージと同じように、その視線が物理的にはとどいていない場にまで及んで良心というものの核になるのだ。 p.10 たとえしばしば形式に流れ、偽善におちいりやすい行…

『知の編集工学』松岡正剛

p.19 ようするに、編集というしくみの基本的な特徴は、人々が関心をもつであろう情報のかたまり(情報クラスター)を、どのように表面から奥にむかって特徴づけていくかというプログラミングだったのである。ラグビーの試合とか、グルメの情報とか、宇宙開闢の…

『寝ながら学べる構造主義』内田樹

『身体の言い分』辿りで流れ着いた。 哲学本もよく齧るのだけれど(毎回齧ってる。あんまり沢山食べて消化不良で、全部下しても仕方ない)、 これ、分かりやすかった。 どこか生活に応用したいなんていう、哲学のゴールとは程遠い欲まで湧いてきたほど。 現代…

『FOCUS 集中力』ダニエル・ゴールマン

p.71 とくに何も考えていないとき、わたしたちの思考はどこへさまよっていくのだろうか?たいていは、もっぱら自分のことに向かっている。「自我」というものは、人生の出来事をあれこれ組み合わせて筋の通る話に仕立てるこたによって自己意識を作り上げるの…

『身体の言い分』内田樹・池上六朗

割と2020年ベスト本かもしれない。 なんか愛すべき胡散くささというか、 信じてもいい可愛い嘘みたいな、 そういうツボを突いてて、 頭が少しだけ、整いました。 信じた先に救いもなければ、 自己革命の類いもない。 怪しいお金もないし、ガチガチな損得勘定…

『アフォーダンス入門』佐々木正人

p.43 この世界のすべての場所で起こっていることは、ミミズによる大地の形成のようなことである。 p.44 生きものの行為の結果を見て、それが生きものがその行為をする原因であった、つまり行為に目的があるなどと考えるのは、ぼくらがよくしてしまうあやまち…

『人生論ノート』三木清

p.20 愛するもののために死んだ故に彼等は幸福であったのではなく、反対に、彼等は幸福であった故に愛するもののために死ねる力を有したのである。 p.24 幸福は表現的なものである。鳥の歌うが如くおのずから外に現われて他の人を幸福にするものが真の幸福で…

文字は光であるのか。

人類の持つ、輝くものへの憧憬。煌びやかに光るものに価値があると感じる。光沢。折り紙でいうと、銀色のもの。人間の体の多くの部分は光らない。つまり、人間は自分の中には、ある種の「くすみ」しかもたない。光を反射する器官は、瞳ぐらいではないか。た…

嫉妬。

嫉妬が鮮やかに飛び散る。目の前のガラスにこびりつくように、椅子や机を蹴り飛ばして。どこからともなく、聞こえてくるあの人のマシンが鳴らす音。 初めて会った人を抱く。 全身で受け入れる、受け入れられる。 心や体が変わってゆく。

今できることにフォーカス

未知のこと、既知のこと 考えすぎてる 心の七割をそこに置くのではなく、 今のことに九割注ぐ 時間を決めて、空想や妄想や予定や反省に使わないと、 結局、今を大事にできていない そのフラクタル構造では、僕は僕自身にならない。

しゃらくささを他所に。

そんなにご飯を食べなくても、 そんなに笑っていなくても、 しゃらくささを他所にして、 小さくなるのも悪かない。

はにかみましょう。

自分の考えを伝える時は、 真顔か 泣きっ面か はにかみです。 自信や喜びなんていらないよ。

信頼を裏切る恐怖

相談されてもうまく返せないや 自分のことばかりしゃべりすぎてるような あぁ、きっとがっかりされて今日も生きているのです。 でも、もっと、広い視野で見れば 愉快かもね 少しずつ学んでいくのです。

影が心を立体にする。

影は完璧な二次元。それにより物体は三次元を得る。 心も同じかもしれない。 影があればそれは三次元になる。 あまりに影が濃いと、ふたたび、心は薄く戻っていく。 注意深く、光のありかを常に頭に入れる。

本当に話す必要はないのかもよ

理解をされないことを理解する時は、黙っていればいいので。

共にいるっていうことは

楽しさを闇雲に追求するのではなく、 居心地がいい場所を作るってこと。

自分を変えるのに必要なのは外向性じゃないのかもしれない。

内向性は悪いことじゃない。 誰にも会わない一ヶ月も悪くないよ。

さて。

さて、これからどうしたものか。