母音で愛を語りましょう

私をとりまく、ぐるりのこと。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『走れメロス』太宰治

裏の裏をかいて、寧ろ素直、みたいな。 いや、裏の裏の、そのまた裏の裏かもしれないけど。 太宰治については強烈な自意識だなぁなんて幾ばくか思っていたのだけど、 ここにきて、自意識への恥と愛着の具合がなかなか心地よいな、なんて感じられてる。 不意…

『天才の世界』湯川秀樹

最後の方に世阿弥の「離見の見」が出てきて少し興奮する。いくつかの点が、線になった快感。 それにしても、「あとがきにかえて」がスリリングで笑う。湯川先生を分析しようとしだす市川氏。 自己顕示と自己矛盾。昇華と客観的価値。 このあたりを絡めながら…

『「いき」の構造』九鬼周造

『「いき」の構造』 p.15 陰鬱な気候風土や戦乱の下に悩んだ民族が明るい幸ある世界に憧れる意識である。レモンの花咲く国に憧れるのは単にミニョンの思郷の情のみではない。ドイツ国民全体の明るい南に対する悩ましい憧憬である。「夢もなお及ばない遠い未…

『生き抜くための整体』片山洋次郎

p.19 風邪などの不調も、長いサイクルの中で見れば、身体のバランスに普段よりも大きなゆらぎを呼び込んで、ガクッと大きく脱力することで、より良い回復へと導くプロセスです。身体に溜まった疲れを吐き出す回復のシステムの一部というふうに、積極的にとら…