母音で愛を語りましょう

私をとりまく、ぐるりのこと。

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『罪と罰 下巻』ドストエフスキー/工藤精一郎訳

とうとう読み終えた。 「生活と自我」を対立軸に据えるのなら、 つまり、生活とは忘我だよってことなのか。 すごく分かる。 例えば友達や彼女や家族と一緒にいる時、 僕はしばし夢中になって忘我に陥って、自分の内なる声なんかピタって止む時がある。 あん…

『時間と自己』木村敏

時間は、僕の人生の一つの主題でもあって、なるほど科学的に「時間」を捉えようとしないところがなかなか面白い。 断固として、そこを迂回する感じ。 精神病理と絡むことによって強引だが独自的、かつ納得感が伴う。 その根底には僕らはほとんど変わらないは…

『仕事と日々・夢想と夜々 哲学的対話』ジャンケレヴィッチ/仲沢紀雄訳

p.6 愛好家が愛する人に対立し、選択が選出に対立するように、好奇心は共感に対立する。愛好家は、標本をひとつの抽象的な系列あるいは非人称的な類に分類する蒐集家さながらに、個人を選り分け、配列し、詳細に観察する。これに反して、愛は些細な部分や個…