母音で愛を語りましょう

私をとりまく、ぐるりのこと。

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『罪と罰 上巻』ドストエフスキー/工藤精一郎訳

今度こそ読み切ろうと思ってたらこんな歳になってしまった。そんなことばかり、24歳。 読みたい本や見たい映画、知りたい事や話したい人。宿題みたいに積んであって、ずっと準備期間みたいな気持ちもあって。それでもある日急に、もうとっくに準備期間なんて…

『移動祝祭日』アーネスト・ヘミングウェイ/福田隆太郎訳

少しだけ固い翻訳。有名人たちが当たり前のように若かりしヘミングウェイの周りに現れる。生きている彼らが馬鹿ばかしいくらい人間的。ミッドナイト・イン・パリのような黄金期への幻想。 若い時をずっと東京で暮らす僕たちの物語は何だ。 p.47 私は、仕事を…

『新ハムレット』太宰治

どの話にも、作者自身の影が濃く写っているように感じてしまう。 それは、もしかしたら、気付いてほしがっているのかなってくらい。 目眩く出来事に向かうしなやかな人間の表情が印象的。 それを話に縮こめる時のアイロニー少々。 p.17 文化の果には、いつも…

『そしてみんな軽くなった トム・ウルフの1970年代革命講座』トム・ウルフ/青山南訳

青山先生の翻訳本。なんだか若いなぁ文章が笑 p.14 ハリスはゆっくりうなずくばかりだった。まるで複雑きわまりない理屈が目の前にでんと居座ったかのようだった。ニューヨークへ車で帰る間中、ハリスは必死に頭をひねった……調理室はひどかった?……問題はそ…