母音で愛を語りましょう

私をとりまく、ぐるりのこと。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『雪国』川端康成

傑作でした。 やったね、今、読めて。 雪国を真夏に手に取る時点で、風流もねぇな、なんて思ったけど、読んでみれば意外にも春夏秋冬辿る物語なのね。 幾年も季節を超えて、そして最後の冬へ。 雪と炎と天の河へ。 〜〜〜 冒頭の一文は、大学の翻訳の授業で…

『ダンス・ダンス・ダンス(上)』村上春樹

踊り続けなきゃいけない。 とにかくステップを踏み続けなくちゃいけない。 いや、難しいよ、それ。 でもどこか『パルプ・フィクション』の最後の台詞みたいな。 だが努力はしてる。 みたいな。 ドライな諦観に見せかけて、 割と実直に生きる感じ。 最近読ん…

『春宵十話』岡潔

p.12 いま、たくましさをわかっても、人の心のかなしみがわかる青年がどれだけあるだろうか。人の心を知らなければ、物事をやる場合、緻密さがなく粗雑になる。粗雑というのは対象をちっとも見ないで観念的にものをいっているだけということ、つまり対象への…