母音で愛を語りましょう

私をとりまく、ぐるりのこと。

『知の編集工学』松岡正剛

p.19

ようするに、編集というしくみの基本的な特徴は、人々が関心をもつであろう情報のかたまり(情報クラスター)を、どのように表面から奥にむかって特徴づけていくかというプログラミングだったのである。ラグビーの試合とか、グルメの情報とか、宇宙開闢のビッグバンとかの「情報の箱」に近づく人々に、次々に奥にある情報の特徴を提供していく作業、それが編集というものなのである。

 

p.36

情報が情報を呼ぶ。

情報は情報を誘導する。

このことは本書がたいそう重視していることだ。「情報はこりつしていない」、あるいは「情報はひとりではいられない」ともいえるだろう。また、「情報は行先をもっている」というふうに考えてもよいかもしれない。

 

p.40

人間の知的判断には必ずや「感情と行為がともなっている」ということにある。感情と行為がともなっているために、私たちの知的判断はずっとすみやかで、なめらかなものになっている。

 

p.40 - 43

人間にできてコンピューターが苦手とする能力

・並列動作や並列感情による知的判断の拡張

・役柄変化

・自己の情報編集化=アフォーダンス

・部分と全体の入れ替えを利用した曖昧性や冗長性や不整合な部分の判断保留

・状況に応じて問題解決の方法を編み出す=ヒューリスティック