フレンドからお借りして読んだ。
自分では買わない本に出会うって久々だけどいいよね。
その時の記憶や環境も、読書体験に入る。
その子はこの前引っ越したから、もうしばらくは会えないかもな。
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彼女が持っている「あっけらかんさ」はやたらまぶしくて、全部が気の抜けたショートムービーみたいになって、僕らの人生もこんなんだったらよいって思って、でも本人からしたらバカ言えって思われそう。
ヘルシンキの地獄のクラブには行きたくないけど、
カオスの後の静謐さはが今の僕にはきっと必要。
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p.15
あまりに得体の知れないものに出会うと、喜びすら湧きあがる。狭く思えた地球が果てしなく広く感じられる。この世にはまだわたしが知らない味がある!そう思ったら、なにやら胸がときめいた。
p.50
映画や舞台の照明もそうだが、明かりを当てる角度によって、人や物の見え方はとんでもなく変わるものだ。女優さんが自分を最高に美しく見せるよう、角度を選んでマイライトを置くように。ヘルシンキの夕暮れの太陽の角度は、ホテルの裏庭の木々を、その影がさす白い壁を、赤や緑の椅子やソファを、それはそれは華やかに見せた。わたしの部屋は、そしてこの町は、白夜の夕暮れの明かりにもっとも美しくなじむような気がした。
p.150
便器はあんぐり口をあけて水を流しながら、そうやってどこにでもすぐ馴染んで、ひとりでも生ていけます、みたいな顔をしていると、そのうちほんとうに誰からも心配されなくなっちまうよ、とわたしに忠告をした。