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モダニティはポスト伝統的な秩序であるが、そこでは合理的知識の確実性が伝統や習慣による確実性にとって代わった、というわけではない。〜
モダニティでは根本的懐疑の原理が制度化さへており、そこではすべての知識は仮説のかたちを取らざるをえない。仮説とはすなわち、十分に正しいかもしれないが、原則的に修正に開かれていて、ある段階では放棄される可能性を持つような主張のことである。
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モダニティは、忘れてはならないが、差異、排除、疎外を生み出す。解放の可能性を提示しておきながら、同時に近代的制度は自己実現ではなく、自己の抑圧のメカニズムを作りだす。