2021-09-01 『犬婿入り』多和田葉子 割と距離を保っているかと思いきや、おもむろに接近してきて感情を殴りつけたり、急に湿度の高い性的なものやこと。 でも人間、とくに他とは相いれずでも自分自身と深く結びついた人間への優しい眼差しを感じてしまう。 『ペルソナ』も『犬婿入り』も、物語が最後になって急にはらはらと動き出して、そのまま舞台から消えていく。 彼や彼女らのキャラクターは、 まだまだどこかで息途絶えず、ぐるぐる考えもがいたり、疑問を抱いたり無視したり、しているのだろうって気持ち。